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  • 社会現象によってもたらされたタブーの空間性と物理的な環境装置を一つの空間に同居させた改修工事です。

    この空間は、バブル経済期に突如として東京湾の港湾倉庫に現れた「ジュリアナ東京」の直下地下階に作られました。埋立地に建設された築50年以上にもなるRC造港湾倉庫の地下駐車場の倉庫として使われてきたため、地下水と海水が入り混じって内部に浸透し、カビなども繁殖してました。そのような悪環境を居室利用できるように湿気を取り除くため、空間そのものが空気環境制御のための風洞装置となるようにデザインされました。

    そうして出来た地下洞窟は、バブルに狂乱した「ジュリアナ」という社会的儀式がタブーとして秘められた空間に重ね見られます。

    (新建築住宅特集2019年10月号)